現代貨幣理論(MMT)から考える、給付金で日本の財政は破綻するのか

最近の大きな話題といえば一律の給付金があるのではと思います。とはいえ、「財源って大丈夫なの?」、「日本の借金で財政破綻するのではなかったっけ?」と心配される方もおられると思います。
そこで今回は「給付金で日本の財政は破綻するのか」について、現代貨幣理論(MMT; Modern Monetary Theory)をベースに考察していきたいと思います。
以下、この記事の目次になります。

  1. 現代貨幣理論(MMT)について
  2. プライマリーバランスの均衡について
  3. そもそも国債って日本の借金なのか
  4. 給付金で日本の財政は破綻するのか

  1. 現代貨幣理論(MMT)について

まず1節では現代貨幣理論(MMT; Modern Monetary Theory)の概要を把握します。基本的にはWikipediaの記載に基づいて確認していきます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/現代貨幣理論

まずMMTの概要についてですが、大まかに「貨幣は政府が作ったものであるため、自国通貨を有している政府は、税収ではなく、インフレ率に基づいて財政支出を調整すべきだ」という理論です。近年の日本の借金についての論考の多くは国債の残高に目を向けていますが、MMTでは「そもそも貨幣は政府が作ったものではないか」という事実に目を向けます。そして、自国通貨を有しているのであれば、「税収ではなくインフレ率(物価だと考えれば良いです)を気にすべきだ」としています。
もう少し概要を読み進めてみます。

上記も概要の記述と同様のことが記載されています。「MMTは財政赤字の拡大を容認し、自国通貨建ての債務であれば、政府の財政的な制約はないため、赤字が増えても財政は破綻しない」とされています。企業に置き換えるなら銀行からの借入というよりは株式の発行に近いイメージで考えるのが良いと思われます。

また、上記がMMTの事実解釈ですが、同様なことが記載されています。

要するに、政府にとっての国債は企業にとっての株のようなものと考えるのが、現代貨幣理論(MMT; Modern Monetary Theory)だと大まかに考えてしまって良さそうです。

2. プライマリーバランスの均衡について

1節では現代貨幣理論について取り扱いましたが、2節では現在の「財政破綻」についての論考のベースになっているプライマリーバランス(基礎的財政収支)の均衡について見ていきます。Wikipediaの下記のページを元に確認していきます。

上記でプライマリーバランスは「公会計において、過去の債務に関わる元利払い以外の支出と、公債発行などを除いた収入との収支」とされています。これは企業でいうならPL(損益計算書)にあたります。

上記でも損益計算書のような説明がなされています。

3. そもそも国債って日本の借金なのか

1節、2節で現代貨幣理論とプライマリーバランスの均衡について確認してきました。さて、ここで一つの疑問が生まれます。「そもそも国債は日本の借金」なのでしょうか。
現代貨幣理論をベースに理解するなら、筆者は違うと考えます。日本円は政府が独占的に創出できるものです、であれば企業の株式に似ていると考えることができると思います。そのため、借入というよりは投資に近いものです。

ということは国債が多くなり続けるということが何を意味するかというと、日本国の事業規模に対して貨幣の流通量が少ないということです。だからデフレについての指摘が多い中、緊縮財政(増税など)の政策が多いのはあまり良い方法ではありません。

4. 給付金で日本の財政は破綻するのか

ここまでの議論を踏まえて「給付金で日本の財政が破綻するか」を考えるに、「No」であると筆者は主張します。そもそもプライマリーバランスにおける国の赤字は単に増資をしているに近い状況です。
「増資」のようなものと述べましたが、外部株主の存在によってマネジメントのリスクが大きくなる企業経営とは異なり、国家権力は過半数の国債を持ったところで経営権を取ることはできません。「国家」は我々が普段考えている以上に大きな権力を持っています。

もちろん権力を濫用するのはいけないし、信用を失うことになります。が、コロナショックは明らかに先の世界大戦以来の世界的な危機です。素早い判断が求められる今日この頃においては自国民の生活を守るためという大義名分の前では多少のインフレなどのリスクは瑣末なものではないでしょうか。

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